音響シャイの話(号外)2000年夏
(犬にとって理由の分からない音への恐怖心)
犬も歳をとると変わってくるなんていう話しから、我が家のクリスが去年の夏から急に「音響シャイ」という症状に悩まされ、いっこうに治る気配がないということを思い出した。
夏になって花火や雷など、原因となることが頻繁に起こるので、最近また症状がひどくなってきたのである。
今までの、オロオロ、限りなく小さくまるまる、ハァハァという荒い息づかいや心臓がバクバクという症状に加え、とうとう戦慄(小刻みに震える)まで始まってしまい心配になった私は大師匠にちょっと伺ってみることにした。
発症について
- いつ発症するかはわからない(クリは去年の夏突然に)。
- 死ぬまで発症しない子もいる(以前飼っていたハスキー)。
- 治る子もいれば、生涯治らない子(以前飼っていたラフコリー)もいる。
症状(経験と聞いた話より)
- 落ち着かない。
- 隅っこに入って、これ以上小さくなれないくらいにまるまる。
- 呼吸があらくなる。
- 心拍数があがる。
- 戦慄(震え)。
- 放浪(散歩の途中などの時は家に帰ろうとして制止を振り切って勝手な方向に行く。庭にいるときは自分で門を開けて外に出てしまう)。
- 噛む(最悪の事態:目の前のものにとりあえず噛みつく)。
対処法−その1(大師匠の経験から)
- 無関心でいること(飼い主は日常的なことのように振るまい、あえて声をかけたりしない。また、無理に慣らそうとそう言う場所に連れて行く必要もない。)
- 外にいる場合などは様子を見ている必要がある。
なぜならあまりのパニックで上記の「最悪の事態」になる可能性があるからである。(これは単に恐怖心から噛むという行動に出ただけなので、もの、犬、人関係なく起こるそうである。そして犬には噛んだという自覚がない(叱っても意味がない)。)
対処法−その2(文献より-手元にあったボーダーの本7冊中、取り上げていたのは1冊のみ)
- 犬が恐怖のサインを示したら、すかさず他の楽しいこと(遊びやおやつ)に気を向けるようにして、恐怖心を持続させない。
- 一度怖がるようになってしまったら、自宅で恐怖の元となる音を録音したテープを低いボリュームから聴かせていき、神経過敏な行動を示さなかったらご褒美をやる(この文献は一般の犬に対しての本)。
以上のことをまとめてみると、一度かかってしまったら自然に治るまで様子をみるしかないということなのかも(録音テープを作るのは結構大変そうだし、クリの場合すでに恐怖心が楽しいこと(ディスク等)より勝っている)。
また、だんだん慣れてきて平気になる子や、更に恐怖心が高まる子など個体差があって、一概に試しにやってみましょうと言うわけにはいかないそうである(大師匠の話)。
我が家の場合過保護(雷が鳴ると、家にいるときは声をかけてなでてやったり、夏場は公園の散歩もやめようかと思っていた)はやめて、とりあえずいつも通りにしてみようかなと思う。
あとは子供達に発症しないことを祈るばかりだ。
追記:2004/10
在宅中に雷鳴を聞くと、その場から逃げたい衝動に駆られ、普段いる部屋のドアを開けて、どんどん階下に下りていってしまう。
やはり、心臓はバクバク、人の話が聞こえなくなる。雷鳴だけでなく、大きな雨音にも反応し、雷鳴と雨が関連づけられているらしい。
花火や爆竹音に対する恐怖心は消えたわけではないが、その場でじっとしているくらいはなんとか出来るようになった。
そこで、ボールやディスクを見せても、相変わらずまったく動く気配を見せないが、フリースタイルのコマンドをかけると、音を気にせず、コマンドに集中して動くことがわかった。ディスクよりフリースタイルの方が好きだと言うことか。
これは花火や爆竹の音が鳴っているときに試したことであるが、雷鳴に関しては検証していない。
一方子供達は、相変わらず変化なし。このまま何事も無ければ良いのだが。
追記:2008/6
気がつけば無事11歳半を迎えたクリス。
そしてまた雷の季節がやってきた。
相変わらず雷が鳴り始めると、「はぁはぁはぁ。」と荒い息遣いになって、そわそわしているが、部屋から逃げ出すそぶりが消えている。
私が部屋でPCの傍にいるときは、足元にそ〜っと寄ってきて伏せていたり、寝ているときは、犬舎に入ってみたりと、じっと我慢している様子が見える。
時が自然に解決してくれるのを待つのが彼女にはいいのかも知れない。
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